美容栄養学の専門家*池上淳子の深堀り情報ブログ

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揚げ物のお供はウーロン茶⁉

 

ウーロン茶は揚げ物などの油ものと一緒に摂ると食べ物の脂肪・油を流してくれる・・という表現がよく見受けられます。

果たしてウーロン茶に脂肪を流す作用はあるのでしょうか?

 

ウーロン茶とは

 

中国茶のうち青茶(せいちゃ、あおちゃ)に分類され、茶葉の発酵途中で加熱することで発酵を止めた、半発酵茶です。中国茶は、1978年に中国安徽省の安徽農業大学の陳椽教授によって緑茶、白茶、黄茶、黒茶、青茶、紅茶の6種(六大茶類)に区分され、これにジャスミン茶など花茶を加えた7種が現在最も一般的な分類方法として知られています。一説によれば烏龍茶という名前は中国広東省で製茶されたお茶の形状や色が烏のように黒く、龍のように曲がりくねっているため名付けられたと言われています。

日本においては、1895年に下関条約で台湾が清から日本に割譲され、事業等で現地を訪れた人々に烏龍茶の存在が知られるようになりました。大正時代には銀座に烏龍茶の喫茶販売店ができて輸入も行われ、通の人たちに利用されるようになったと言われています。そして、日本における本格的な普及は1970年代に痩身や美容に効果があると伝聞されたことに始まります。当時爆発的な人気があったアイドル「ピンク・レディー」が、美容のために愛飲していることが話題となり脚光を浴びました。年間輸入量が2トンから280トンに急増し、第1次ブームとなります。この時期のウーロン茶は湯で淹れた飲み方が主流であり、茶葉を用いていました。その後、粗悪品が出回りブームは下向きになります。1979年に伊藤園が中国土産畜産進出口総公司と輸入代理店契約を締結し1981年2月に伊藤園が世界初の缶入りウーロン茶として商品化、同年12月、サントリーが缶入りウーロン茶を発売しました。油分の多い料理に適し、飲み口もさっぱりして後を引かないというキャッチフレーズと併せて、冷やしても美味しく手軽に飲むことができるとする日本独自のスタイルが生まれました。本場中国では、ウーロン茶は福建省広東省という限られた地域で飲まれているものであり、かつ熱い茶を自分でいれて飲む方法のみでしたが、現在ではペットボトルのウーロン茶も普及し手軽に買うことが出来ます。

黒ウーロン茶のダイエット効果

 

ウーロン茶は半発酵茶で、発酵過程でウーロン茶ポリフェノールが出来ます。その中でも、脂肪の吸収を阻害する働きの強い「ウーロン茶重合ポリフェノール」を含んでいるのが黒ウーロン茶で、濃い色で味も苦味があります。ウーロン茶重合ポリフェノールは、強い脂肪吸収抑制効果があり、また吸収されなかった脂肪を排出する働きがあるため、高いダイエット効果が期待できます。

通常、食べたものに含まれる脂肪は、脂肪分解酵素である「リパーゼ」によって小腸内で分解されたのちに吸収されます。しかし、黒ウーロン茶に含まれるウーロン茶重合ポリフェノールは、このリパーゼの働きを阻害するため、脂肪の分解を抑制してくれます。ウーロン茶重合ポリフェノール強化ウーロン茶(OTPP 68 mg含有)を用いて、ヒトでの脂肪負荷後の血中TG上昇抑制作用を検討したところ、約 20%の抑制効果が確認されました。

 ウーロン茶重合ポリフェノール強化ウーロン茶の脂肪負荷後の血中 TG 上昇抑制作用が、消化管内での脂肪吸収抑制作用によるものであるかどうかについてより確実に検証するために、ヒトの便中脂肪排泄量に及ぼす影響を検討しました。健常成人を対象として、ウーロン茶重合ポリフェノール強化ウーロン茶を毎食時に 1 本ずつ摂取させた結果、便中の脂肪総排泄量が約2倍に有意に増加したことより、食事性脂肪の吸収が抑制されることが確認されました。

参考:
サントリー黒ウーロン茶 
ウーロン茶重合ポリフェノール(ウーロンホモビスフラバンBとして)350mlあたり70㎎含有

 

 

 

黒ウーロン茶を飲むタイミングと量

 


揚げ物など油が多い食事の際、食前か食事中に飲むとよいでしょう。飲む量は1食につき350ml程度を目安に、1日に1~2回、体調に合わせて飲んでください。

 

 参考サイト

https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_kurouroncha170127.pdf

http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/yaku/sotugo/pdf/h20_02_0.pdf

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