美容栄養学の専門家*池上淳子の深堀り情報ブログ

美容栄養学の専門家、池上淳子のブログです。管理栄養士、美容食インストラクター、美容栄養学専門士 多くの方の健康増進、美容、食生活に役立つ情報をお届けします。

筋トレと有酸素運動の順番

 

筋肉トレーニング有酸素運動

 

筋肉トレーニングは筋肥大を目的とし、速筋繊維を大きくする為、筋肉に大きな負荷をかけて行う運動です。一方有酸素運動は、長時間ややキツイ程度の強度で行い、心肺機能を強化して脂肪燃焼を目的とする運動です。

この2つの運動を組み合わせて行う事が推奨されていますが、どちらからトレーニングをすれば良いのか、論争は繰り広げられてきました。

動物実験の段階ではありますが、エビデンスが出てきています。

それは目的によって変える必要があります。

 

 

 

目的その1、脂肪燃焼を目的とした運動

 


脂肪燃焼を目的とした場合は
筋肉トレーニング有酸素運動
が良いとされています。
理由は、
・筋トレをしてから有酸素運動をする事により、有酸素運動中の脂質代謝が増大する
・筋トレによって分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリン、成長ホルモンなどの脂肪分解作用を効果的に得る事が出来る
・筋トレ前に有酸素運動を行うと、筋トレによるこれらのホルモンの分泌が完全に抑制される

 

 

 

目的その2、筋肥大を目的とした運動

 


筋肉を大きくしたいことを目的にした場合は
有酸素運動筋肉トレーニング
理由は、
・AMPK活性化は有酸素運動直後に最大となり、1時間後にはベースラインに戻る。AMPKは有酸素運動直後に活性化されるが、筋トレ3時間後にはベースラインに戻っている
※AMPK:AMP活性化キナーゼ(AMPK)(酵素
AMPKは、細胞内の「エネルギーセンサ」で、エネルギー供給系を増強すると同時に、エネルギーを消費してしまうタンパク質合成を阻害して、細胞全体を省エネ化にする。このAMPKは、摂食制限や有酸素運動によって強く活性化される為、筋トレによる筋肥大という観点では、AMPKの影響を最小限にする必要がある。


・mTORシグナル伝達系の活性化は筋トレ刺激直後から3時間後にかけて上昇する。筋トレ→有酸素運動を行うとmTORシグナル伝達系の活性が低下したが、有酸素運動→筋トレであれば、mTORシグナル伝達系の活性化は影響を受けなかった
※mTORシグナル伝達系:タンパク質合成を稼働させ、調整する酵素

 

・タンパク質合成は筋トレ刺激の6時間後に上昇する。筋トレ→有酸素運動を行うとタンパク質合成が低下する。有酸素運動→筋トレではタンパク質合成が増強される。

筋肥大は太りにくい体づくりになる

 

目的に応じて、使い分けをすれば良いでしょう。
ダイエットは脂肪燃焼も必要ですが、筋肉を大きくする事も大切です。筋肉量が増えれば、基礎代謝(寝てても使うエネルギー)が増えて、エネルギーを多く使う体にする事が可能です。基礎代謝が高くなれば、太りにくい体作りが出来ます。

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