うんざりする、健康・栄養情報の蔓延化 成分信仰やめませんか?
実験研究と疫学研究 どちらも大切だがそれぞれの質が違う
・実験研究は『なぜ』メカニズムを解くこと 動物実験や試験管での研究
・疫学研究は『どれくらい』量を決めること
私たち、管理栄養士、栄養士は様々な研究結果の論文に基づき、確かな情報提供を世に送り出す事を励んでいる。
テレビやネットの健康、栄養情報は健康効果は無い時も多い
成分で見たら効果がある。
しかし身体の健康に有益では無い場合が多い。
毎日、テレビ、ネット、情報誌などで出てくる健康、栄養情報
勿論、私もテレビに出演して話しているし、テレビや雑誌の資料監修も多数監修している。
エビデンスに基づいた情報は常に取り入れるように最大限努力をしているし、日々論文を読む事に明け暮れていたりする。
例えば、「大豆タンパク質には中性脂肪低減効果が期待できる」
これ、研究論文有り。*1
あるテレビ番組の制作スタッフからの質問
「大豆タンパク質には痩せる効果があるんですよね?味噌汁を食べると痩せるって言って良いですか?」
・・・
いい訳ないだろ・・
味噌に含まれるタンパク質量、味噌汁1杯大さじ1弱の味噌(15g)にタンパク質は1.6gと微量である。肉100gに含まれるタンパク質より1/10以下、「中性脂肪を燃やす効果」を得られるとは考えにくい。
その成分にその効果があるか?
と言われると、答えは「ある」で正しいんだろう
しかし、身体にとって有益な効果が得られるだけの量を摂っているかというと摂れていない場合が多い。
この間テレビを観ていた時、よくテレビに出ている医者が
「ご飯の上に海苔をふりかけると食物繊維が摂れます。食物繊維は腸内環境を整えて、免疫力を上げて強い身体づくりをしてくれます。」
と言った。
映像にはご飯に海苔をパラパラかけて映している。
あの海苔、、1gも無い・・
0.2gくらいかな・・
食物繊維の1日の目標量は男性20g以上、女性18g以上である。
(日本人の食事摂取基準2015)
たったあれだけの海苔で腸内環境整える訳ないだろ・・
機能と効果は違う
機能は働きであり理由である。
効果は効き目であり量である。
機能はあっても効果は期待出来ないものは多い。
だから気をつけないといけないのは、成分信仰ではなく、食品や食生活全般に注目するべきである。
例えば、成分にばかり気を取られたら果物は糖が多くて太ると言われ、血糖値が上がると懸念される。
しかし果物を食品全体で見たときの栄養効果は素晴らしく、水溶性食物繊維量も豊富な為、血糖値も上がりにくい。
「にんじんは糖質高い 」ではなく、にんじん全体の栄養を考える。
もっと言うと、食事全体のバランスが大切。
恐ろしいのは、成分に気を取られ過ぎると人は健康食品やサプリメントに走る。
その成分だけを摂れば健康になれると信じてしまう。
私自身もつい成分で話しがちになる為、気をつけないといけないと思っている。
食品は多くの栄養素がたくさん混ざって存在している。
そこに食品と食品を調理によって合わせていく事で、美味しさだけではなく、栄養素の消化や吸収にも良い相乗効果が出て、良い影響を及ぼしてくれる。
一部だけを切り取って考える事はせず、全体を考えて健康、栄養を語れる管理栄養士でありたいと思う。
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