美容栄養学の専門家*池上淳子の深堀り情報ブログ

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体を冷やす食べ物、温める食べ物 ~謎の説~

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旬の食べ物、地域性

 

旬の野菜には、その季節に体が欲する栄養素が含まれるので、旬の野菜を食べると体に良いのです。」とよく言われます。ところがこの説には実は科学的な根拠は一切ありません。薬膳の考え方で冷やす、温める、という分け方がありますが、明確な研究結果や論文がある訳では無く、未解明なものです。

旬の食べ物「夏野菜は身体を冷やす、冬野菜は身体を温める」

地域性「温かい地域で収穫されるものは身体を冷やす、寒い地域で収穫されるものは身体を温める」例えば南国の果物等

・・というその時期や季節に必要な栄養素を含む証拠はありません。

 

 

言えるとすればこんなコト

南国の果物や夏野菜はカリウムが多く含まれます。また水分量が多いものです。すると、利尿効果が促進されます。36℃程の水分を数百cc尿で失うという事は、熱が外に逃げる事を指しています。また、カリウムはナトリウム(塩)の排泄作用があります。発汗させるときにナトリウムが排泄されますので、そこでも一躍かっているのではないかと思われます。汗も尿と同じく、熱を外へ放出するものですので、一時的なクールダウンは見込めるかもしれません。

 

カラダには恒常性がある

冷蔵庫などで冷やしたキュウリ、冷えたスイカ冷やしおでんのダイコン等を食べた直後に体の感覚がさっぱりして、スッと汗がひき、一時的に「冷えた」ように感じるのは、キュウリやスイカやダイコンは水分が多い為だと思われます。つまりこれらを食べる行為は、冷たい水を飲むのにほぼ等しい行為だと言えます。一時的に冷えたとしても、暫くすると、人間の恒常性で、平常値の体温へ戻ります。

 

旬の野菜や果物は経済的で美味しい

「その季節に体が必要とする栄養素」というのが結局、何なのかはよく分からない未だ謎の説です。しかし、BFSでは、その根拠は無いが、旬のものを食べる事は推奨しています。

旬の野菜を食べることは経済的ですし、季節感を感じられ、風情があり、植物が育つサイクルを学べるなど知的好奇心を育むメリットもあります。一方で、昔から人類は、旬の野菜を漬物や乾燥、砂糖煮、瓶詰めなどで保存して、別の季節に食べることで、その食品の新たな美味しさを引き出したり栄養を補ったりしてきました。日本でも、夏に収穫した野菜を乾燥させたり、塩漬けなどにして保存して真冬にも食べていました。旬の野菜を収穫してすぐ食べることだけではなく、こうした、旬以外の時期においしく食べて健康になる知恵も大切に伝承したいものだと思います。

体を冷やす食べ物、温める食べ物

 

明確な食べ物が一つずつあります。

体を冷やす食べ物:唐辛子等に含まれている辛味成分のカプサイシン
体を温める食べ物:生姜(加熱したもの)に含まれている辛味成分のショウガオール

上手に活用する価値有りです。