美容栄養学の専門家*池上淳子の深堀り情報ブログ

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果糖と糖尿病の関係

 

果糖と血糖値

 

血糖値を上昇させるのはブドウ糖です。
果物に含まれている果糖は血糖値を上昇させないと思われがちですが、実は上昇させます。

単糖である、フルクトース(果糖)やガラクトースは肝臓でグルコースブドウ糖)に変換されます。
その為、フルクトースの摂りすぎは肝臓に負担をかけるとも言えます。

果物を食べると血糖値を上昇させる為、食べ過ぎが懸念される傾向が強くあります。

 


果糖と糖尿病

 

糖尿病患者で行った研究があります。

▼糖尿病にかかっていることが分かった人(未治療、食事制限無し)63人
果物を食べる群と食べない群に分けました。
その差は200g程度です。
ヘモグロビンA1cという糖尿病の指標の変化を3ヵ月間観察しました。


結果:
果物摂取軍32人
果物摂取量 194g→319g
ヘモグロビンA1c 6.74%→6.26%(約0.5%減少)

果物制限群31人
果物摂取量 186g→135g
ヘモグロビンA1c 6.53%→6.24%(約0.3%減少)

☆大差は無かった


▼果物摂取量と糖尿病の発症率との関連
世界6ヶ国で行われた9つの研究、合計42万人のデータによる。
「約200g~300gの摂取で最も糖尿病の発症率が低いと言える」

2015年の日本人成人の平均的な摂取量 112g/日
ヨーロッパの人たちに比べると低すぎます。
イタリア:372g
スペイン:360g
ギリシャ:274g
ドイツ:223g
デンマーク:173g
オランダ:169g
イギリス:160g
(1990年代後半のデータ)

☆糖尿病を予防するために果物を今の2倍ほど積極的に食べる方がよいと言えます。

 

 

果物をジュースで摂るべきではない

 


紙パックに100%の果物ジュースが良く売られています。
あくまでもこれは嗜好飲料として考えるべきであり、果物の代わりになるものではありません。
食物繊維が取り除かれて、加熱殺菌がされています。
生の果物に比べて、食物繊維や生で得られやすい水溶性ビタミン等が大きく失われています。
また、液体をガバガバ飲む事により短時間で大量の糖を摂取する事になり血糖値急上昇が起こります。
生の果物は、食物繊維が豊富で繊維質な為、しっかり噛んで食べます。
ゆっくり噛む事により脳から満腹中枢が働き、食べ過ぎは抑えられますし、消化酵素もしっかり働いて消化吸収がしやすくなります。
多くの機能性が期待出来ますので、生の果物を積極的に食べましょう。

 

 

果物は皮を剥くのが面倒である
値段が高い
食事に入らないので、食べなくても問題ない


など、敬遠されやすいが、リンゴやブドウ等、皮のところに栄養や機能性があり、海外では果物の皮を剥かずに食べます。
旬の果物を選べば、それほど高価ではありません。
是非食べる習慣を身につけましょう。

 
ブドウ糖グルコース  果糖=フルクトース

 

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