骨と筋肉強化と貧血の相反する現実
10代のギモン
「かかとをたたくと背が伸びる?」
「朝起きてすぐジャンプすると背が伸びる?」
10代女子からの質問
成長期にとって、背を高くしたいという気持ちが高く、色々な噂話を試してみたりしている場合が多いらしい。
「かかと落とし」は有名な10代の女性モデルが実際に毎日やっていて、少なからず世に影響を及ぼした。
骨強化・筋肉強化に良い、かかと落とし
「鎌田式かかと落とし」というものを諏訪中央病院 院長 鎌田医師が発案した骨強化に繋がる方法として推奨されている。
やり方はつま先立ちから、かかとをストンと落とすというもの。
かかと落としの刺激が骨の再生をする骨芽細胞に刺激を与え、強い骨づくりや骨密度を改善する事に効果があるとされている。
高齢者に推奨されているもので、ふくらはぎの筋肉強化にも良いことや生活習慣病予防にも良いとされている。
目標は一日30回。
スポーツ選手のジャンプの刺激による影響
バスケットボールやバレーボールの選手がジャンプをしてかかとに刺激を与える事で、成長ホルモンの分泌がされて身長を伸ばすことが噂として流れている。
新潟大学 名誉教授 岡田医師はある程度の強度の運動により成長ホルモンが一時的に増える事があり、効果がある可能性はある。しかしホルモン分泌はすぐ元に戻り、身長の伸びには寄与しないのではないかとも言われている。
かかと落とし程度の軽い運動で成長ホルモンが増える事は考えにくい。
かかと落としやジャンプは骨強化には効果はあるが、身長を伸ばす事は殆ど無いと言える。
衝撃によるスポーツ貧血の懸念
溶血性貧血は赤血球が破壊されることで起こり、スポーツ貧血とも呼ばれています。足の裏や手の平に強い衝撃や踏込みがある激しいスポーツをした際に発生することが多く、マラソン選手、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、剣道など様々なスポーツで見られます。手を叩いたり、激しく足の裏に衝撃が加わると、毛細血管内で赤血球を数多く踏み潰してしまうことで発生し、行軍血色素尿症候群とも言われる。赤血球が壊れると内部に含まれる血色素(ヘモグロビン)をはじめとする様々な成分が赤血球外に出てくる為、溶血性貧血と言われている。
まとめ
スポーツをするという事は、様々なリスクを伴う事になるが、その中でも貧血というのは付きものとされている。発汗により鉄が汗で流出してしまう事や、大きくなった筋肉が鉄を多く必要とする事などで生じる鉄欠乏性貧血。そして、足裏や手の平の衝撃により赤血球が壊され、鉄が溶出する溶出性貧血。どちらにしても、スポーツをしている場合は、多くの鉄補給が必要になる事を知っておいて欲しい。貧血になると、疲労感、倦怠感、頭重、めまい、ふらつきなどあらゆる不調が起こり、運動パフォーマンスが下がるどころか、健康被害が起こる場合も多くある。
さて、身長を伸ばしたいからかかと落としをしている若者は、一体どう?
結論は、骨強化、筋肉強化に良い為、健康維持の為にかかと落としは良いと思われる。但し、身長を伸ばす効果は無い。かかと落としをした際に鉄が溶出するかは・・恐らく、かかと落としくらいの負荷であれば、あまり影響はないのではないかと思われる。
けれど、これについての明確な研究結果がある訳ではない。参照まで。