美容栄養学の専門家*池上淳子の深堀り情報ブログ

美容栄養学の専門家、池上淳子のブログです。管理栄養士、美容食インストラクター、美容栄養学専門士 多くの方の健康増進、美容、食生活に役立つ情報をお届けします。

アルコールを飲み続けて「お酒に強くなる」は間違い

 

アルコールの身体の代謝

 

アルコールや薬物などの化学物質は肝細胞で代謝され、排泄されます。
これが、解毒作用です。
アルコールは体内に入ると肝臓にある酵素、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)によって毒性の強いアセトアルデヒドになります。
アセトアルデヒドは、悪酔いや二日酔いの原因ともなる有害物質で、顔面紅潮、動悸、吐き気、頭痛などを引き起こします。

さらに、アセトアルデヒドアルデヒドヒドロゲナーゼ(ALDH)によって無害な酢酸になります。
日本人は欧米人に比べて酒に弱い人が多いと言われていますが、これは、日本人の半数はALDHが少ないためです。

 


ALDHが少ないとアセトアルデヒドが十分代謝されないのでお酒に弱く、すぐ顔が赤くなったり、気分が悪くなったりします。

飲み続けるとお酒に強くなった?

 

このようにアルコールを飲むと、肝臓の酵素で無毒化されます。
若い頃やはじめて飲酒をした時、頭が痛くなったり、顔が赤くなったり、気分が悪くなったり、記憶を失ったり・・
いわゆる、お酒に弱い、という症状が出ていた人が、大学生時代や社会人に揉まれていく中で、弱くても無理やり飲み続けることによって、お酒が強くなったというのはよくある話です。

 

これはどういうことでしょうか?

肝臓のアルコール分解酵素の分泌が良くなったという事でしょうか?

違います。

肝臓か、脳か、、

 

アルコール分解能力が弱く、お酒に弱い人は、元々その人に備わっている体質です。
飲酒を継続してアルコール分解酵素の分泌が良くなる事はありません。

実際は脳の神経系細胞が機能変化を起こし、脳の感受性が下がってしまうためだと言われています。
つまり、肝臓のアルコール分解能力が上がったのではなく、アルコールに対して脳が慣れてしまったいうものです。


顔が赤くなったり、頭が痛くなったり、気分が悪くなったり、眠気がきたり、記憶が無くなったり・・
これは脳が最終的に出している信号です。
その信号を出す仕事がアルコールに慣れてしまって、キチンと信号を出せなくなっているという事です。

肝臓ではなく、脳が問題だったのです。

 

はじめてお酒を飲んだ時は強かった?弱かった?

思い出してください。
はじめてお酒を飲んだ時の事を・・

酒酔いの症状は無かったですか?

もしあったのなら、ただ脳がアルコールに慣れてしまっているだけ・・
肝臓がアルコール分解する力は貴方にありません。


お酒に強い人はアルコールを分解する力があります。
なので、多少飲み過ぎても大丈夫です。
けれど、はじめて飲んだ時にお酒が弱かった人はアルコールを分解する力がありません。

これは大変です。

肝機能が悪くなる可能性が高いです。

沈黙の臓器、肝臓は身体の代謝に関わる大切な器官です。
肝硬変や肝ガンなど重症になれば、食事やアルコール制限だけではなく、大変な治療や通院が待っています。

一度、ご自身の飲酒生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?

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